カーボンニュートラルニュース vol.86
(2026.07.03)
三菱化工機が日本製鉄から中規模水素製造装置を受注
九州製鉄所八幡地区の製鉄プロセスCN化に貢献
三菱化工機㈱は日本製鉄㈱より、水素の製造装置を受注した。装置で製造する水素を製鉄プロセスに供給することで、製鉄のカーボンニュートラル(CN)化に貢献する。
三菱化工機㈱は日本製鉄㈱より、水素の製造装置を受注した。装置で製造する水素を製鉄プロセスに供給することで、製鉄のカーボンニュートラル(CN)化に貢献する。
三菱化工機が受注したのは、同社の水素製造装置ブランド「HyGeia(ハイジェイア)シリーズの中の中規模ラインナップ「M-HyGeia 1000」だ。1時間あたり1,000ノルマル立方㍍の製造能力を持つM-HyGeia 1000を3系統、九州製鉄所八幡地区(福岡県北九州市)に納入する。納入時期は2028年の予定。
2050年CN実現を目指す日本製鉄は、2025年5月、GX推進法に基づく経済産業省の「排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業(事業Ⅰ[鉄鋼])令和7年度~令和11年度事業」公募に応募し採択された。採択を受けて、化石燃料を使用する従来の高炉から転換し、水素・電気などを活用するプロジェクト(コークスの炉内燃焼により発生する一酸化炭素で鉄鉱石中の酸素を還元し、銑鉄を製造する既存の高炉プロセスから、鉄スクラップや水素を活用し製造する還元鉄を電気アークで溶解して鉄を製造する電炉プロセスへの転換が中心)を立ち上げ、設備新設・改造などに関して合計約8,700億円(内、国の支援額上限は約2,500億円)の投資を行うことを決めている。2026年4月には、同プロジェクトの第一弾となる九州製鉄所八幡地区において、電炉1基の新設とプロセス転換の工事が開始されている。
三菱化工機は2024年3月にも、製鉄プロセス用水素の製造設備を日本製鉄から受注している。その際は、日本製鉄がNEDOのグリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクトにおける「高炉を用いた水素還元技術の開発 外部水素や高炉排ガスに含まれるCO₂を活用した低炭素化技術等の開発」に採択。同事業の枠内で、高炉への水素還元技術の適用(高炉水素還元技術)や水素で低品位の鉄鉱石を直接還元する直接水素還元技術の確立する実証用として、1時間あたり37,500ノルマル立方㍍の水素製造能力を持つ大型装置を2系統受注した。この製鉄プロセスを確立することにより、プロセスにおけるCO₂排出を最大50㌫以上削減することが目指されている。実証を続ける中で三菱化工機の水素製造装置が評価され、今回のM-HyGeiaの採用につながった。