カーボンニュートラルニュース vol.86
(2026.06.25)
富山県立大学が水素関連の設備を
網羅した研究エリアを敷設
水素を活用した災害時に
強いまちづくりを視野にデータ取得も
富山県立大学はこのほど、射水キャンパス情報工学研究棟内に水素の製造・貯蔵・利用設備などを完成し、研究棟全体の電力需給の詳細を24時間365日モニター管理してデータを取得する「グリーン×AIラボ・エネルギーミックス研究エリア」を設けた。
研究棟屋上の太陽光パネルをはじめ、水素を製造するAEM(アニオン交換膜)式水電解装置、水素を保存する水素吸蔵合金、水素を電気エネルギーに変換する燃料電池、さらに燃料電池で発生した熱を利用してつくったお湯を貯蔵する貯湯ユニット、水素バーナーの実験が可能な水素燃焼実験設備、外部の水素カードルから水素を供給するためのラインなど「水素関連の設備を網羅的に導入した」(脇坂暢工学部環境・社会基盤工学科教授)という。そして複数の水素ボンベや配管を接続した中央のマニホールドが水素を安全かつ効率的に集約・分配し、マネジメントシステムが電力や水素の使用状況を監視する体制となっている。
この研究エリアを利用して、「たとえば中小企業と協力して水素燃焼バーナーの可視化分析試験を行うこともできるし、必要とされるデータのみを取得・提供することも可能」と脇坂教授。それと並行して日照条件など気象情報を含めた電力・水素のエネルギー活用状況のデータも取り、そのデータをもとにAIを用いてエネルギーマネジメントの最適化研究を行う予定だ。データは一般企業にも活かせるが、休みの多い大学のように時期によって電力需要にばらつきがある公民館や文化施設など地域コミュニティーなどに活かしていきたいとしている。そうした施設は災害時の避難場所にもなっており、水素エネルギーを分散貯蔵という視点でこの種のデータを活かせるのではと脇坂教授らは想定している。災害に強いまちづくりに貢献することも視野に入れた研究のようだ。