カーボンニュートラルニュース vol.85
(2026.06.01)
岐阜大学内にアンモニア・水素の
エネルギーシステム実証拠点を開設
㈱レゾナックが水素原料によるアンモニアを供給
岐阜大学は㈱レゾナック、三菱化工機㈱、東京ガス㈱、三浦工業㈱と共同で岐阜大学高等研究院地方創生エネルギーシステム研究センター内に「アンモニア・水素を利用したゼロカーボンエネルギーシステムの実証拠点」を開設した。
拠点内にはアンモニアを分解して水素・窒素(と未分解アンモニア)の混合ガスをつくる「燃焼器用改質器ユニット」のほか、混合ガスで稼働する工業炉、ボイラ、ガスエンジンを配置。使われるアンモニアは㈱レゾナックが使用済みプラスチックをガス化ケミカルリサイクルして得られた水素と、都市ガスを改質することによって得られた水素を原料に製造した低炭素なアンモニアで、同社川崎事業所からボンベで運ばれる。改質器ユニットへのアンモニア供給量は最大200立法㍍/時。
アンモニアは燃焼性に弱点がある一方で、運搬性(水素の4倍量を1回で運べる)や貯蔵性(ボンベで安価に品質や量を変えずに貯蔵できる)に優れていることから、水素をアンモニアにして運び、アンモニアをあらたに水素に戻して利用することが好ましいともされる。ただ、「アンモニアを水素に改質するにはコストがかかる。そこで、部分的に分解して得られる水素とアンモニアの混合ガスを利用して、どの程度アンモニアを混合できるかが研究テーマとなる」(神原信志・岐阜大学工学部化学・生命工学科物質化学コース教授)とのこと。また、アンモニアを介した水素の供給について、「メーカーや水素ステーション、燃料電池向け用途など広く既存の水素ユーザーが対象になる。とくにこれまで水素の供給が難しかった内陸部の工場や水素を安定的に必要とする半導体メーカーなどへの応用も視野に入れている」(㈱レゾナック研究開発企画部)としている。
大学と企業の共同研究を積極展開し、同拠点ではあらたな産業エコシステムの創出も目指していく。