カーボンニュートラルニュース vol.82
(2026.05.07)
日立製作所が高電圧に対応可能な
水電解スタックの絶縁配管を開発
変圧器削減で水電解システム全体の
設置面積を最大50㌫削減
㈱日立製作所は水電解スタック(※1)内に水を供給したり、生産された水素を取り出したりする世界初(※2)の絶縁配管を開発。従来のセラミックに替わる新素材を用いることで10㌔㌾級の高電圧環境でも安全に使用できる。
電力系統から送電される電力は数十㌔㌾の高電圧-低電流の状態だが、高電圧のまま水電解スタックに送電した場合には、セラミック製の絶縁配管であれば接合部からの溶出や、機械強度不足による破損など、絶縁信頼性やガス漏えいへの懸念があった。そのため、大掛かりな変圧器をいくつも繋いで段階的に1㌔㌾未満の低電圧-高電流に変換する必要があった(※3)。
今回開発されたあらたな絶縁配管は、エチレンビニールアルコール共重合体(EVOH)やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、高密度ポリエチレン(HDPE)の多層樹脂構造で、「10㌔㌾の高電圧を加えた実証試験でも絶縁破壊や漏えいが発生しないことが確認された」(日立製作所㈱研究開発グループNext Research水素バリューチェーン)という。高電圧の電力を水電解スタックに直接給電できるため、変圧器の数を大幅に削減し水電解システム全体の設置面積が最大50㌫削減可能に。工期短縮、保守性向上、電力損失低減、コスト低減にもつながるとのこと。
日立製作所は今後も、㍋㍗級以上の大規模水電解システムの実証・社会実装に向けて、スタックメーカーや研究機関など国内外のパートナーと連携しさらなる開発を進めていくとしている。
(※1)水を水素と酸素に電気分解する装置
(※2)水素製造装置に適用できる耐圧・耐熱・耐食性・ガスバリア性を備えた絶縁配管は前例がない(日立調べ)
(※3)電力は、電力(㍗)=電圧(㌾)×電流(㌂)で決まる