カーボンニュートラルニュース vol.76

(2026.03.30)


名古屋港でのFCフォークリフト
実証試験の結果を公表
充填時間に優位性はあったが、
充填場所確保に難点


 名古屋港管理組合は、昨年10月20日㈪から24日㈮まで、名古屋港の民間倉庫で実施された燃料電池産業車両(FCフォークリフト)の実証試験の結果報告を行った。この実証試験は、産業用ガス製造の㈱鈴木商館が受注し、日本通運㈱、㈱フジトランスコーポレーション、名港海運㈱の倉庫3社が参画。鈴木商館が自社の簡易水素充填機に水素を充填して作業車で各社倉庫に配送し、作業車からFCフォークリフトに充填した。なお、簡易水素充填機は2022年に愛知県経済産業局の実証事業で製造されたものを使用、FCフォークリフトについては㈱豊田自動織機製の定格荷重2.5㌧タイプ、満充填で約8時間稼働できるものを各社1台ずつ使用した。

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水素充填中のFCフォークリフト

 実証試験後の倉庫会社へのヒアリング調査では「FCフォークリフトは騒音が少なく、操作性や乗り心地、パワーに関しても問題なかった」「充填場所が屋外なので雨天時にはFCフォークリフトが濡れてしまう点が課題」「2.5㌧タイプ以外にも4.5㌧以上の大型のものがあるとよい」「従来機と比べてコストがかかる」などの意見があがった。

 また、名古屋港管理組合ではFCフォークリフトへの充填時間は3分から5分、作業車の準備から撤収まで含めても20分程度で行われ、通常のバッテリー式フォークリフトへの充電は最大8時間程度かかることがわかった。以上の点から比較しても優位性が確認された。ただし、高圧ガス保安法の規制で、充填場所は建屋から5㍍以上、敷地境界線から8㍍以上離れた屋外にする必要があり、広い敷地がなければ充填できない難点があったとも。さらに、「簡易水素充填機への水素充填は名古屋港から車で約1時間離れた豊田市内の施設で行われ、隔日に配送された。近くに水素充填できる施設があれば便利」(計画課次世代エネルギー推進担当)というように、社会的な水素インフラ整備も今後の課題としてあげている。