カーボンニュートラルニュース vol.59

(2025.10.27)


大阪・関西万博で活躍した
水素燃料電池船「まほろば」を
東京湾で運航へ
岩谷産業と東京都が活用に向け、
基本協定交わす


 大阪・関西万博の開催期間中、会場へのアクセス手段として運航した日本初の水素燃料電池船「まほろば」が東京都に無償提供されることになった。

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東京湾で運航することになる水素燃料電池船「まほろば」(写真提供/岩谷産業)

 都が10月16日、「まほろば」を手がけた岩谷産業と「水素エネルギーの社会実装化に向けた水素燃料電池船の活用事業に関する基本協定書」を交わした。協定書では環境学習イベントや国際的なイベントなどで多くの人に東京湾で乗船する機会をつくり、水素燃料や水素燃料電池船の有用性などをPRするとしている。

 来年度中の運航開始を目指して、関係者で今後運航ルートや水素充てん設備の設置などを協議していくという。協定締結に際し、東京都は「東京港を航行する水素燃料電池船を通じて、水素のある社会を身近に感じていただきながら、水素エネルギーの社会実装化を力強く推進してまいります」とコメントしている。
 
 「まほろば」は水素燃料電池と蓄電池のハウブリッドで航行する日本初の旅客船で、岩谷産業が中心となって関西電力や東京海洋大学、名村造船所などと共同で開発した。万博開催期間中、大阪市内と夢洲の万博会場を結ぶ交通手段として使われた。