カーボンニュートラルニュース vol.57

(2025.10.06)


膜分離法でごみ焼却施設の
排ガスからCO₂回収!!
川崎市とJFE、住友化学が共同で実証実験


 カーボンニュートラルを目指す神奈川県川崎市は、JFEエンジニアリング㈱(東京)と「廃棄物処理におけるCO₂分離回収・利活用システムの共同研究の実施に関する協定」を締結し、2026年3月から、ごみ焼却処理施設「川崎市浮島処理センター」(川崎区)でごみ焼却の排ガスから膜分離法を用いてCO₂を分離回収する実証実験をはじめる。ごみ焼却処理施設の排ガスから膜分離法でCO₂を回収する試みははじめてで、注目されている。

コロンブス2509
CO₂回収の実証実験がはじまる浮島処理センター

 膜分離法は住友化学㈱(東京)の技術で、排ガスが膜を通過する際にCO₂が分離される。排ガスのCO₂の分離回収技術として一般に導入されている化学吸収法に比べて、小型化がはかられ、回収コストを5分の1に削減できる。既存のごみ焼却処理施設にも装備できる利点もあるという。実証実験はJFEエンジニアリングと住友化学が共同で行い、技術的・経済的な課題を洗い出し、本格実装につなげる。

 CO₂は直接利用のほかに、水素と化学反応させて燃料化する方法が環境省などで検討されている。現在、今回の取り組みで回収したCO₂の用途は未定。今後はCO₂の利活用が課題となっている。