カーボンニュートラルニュース vol.56

(2025.10.02)


水素の社会実装を目指し
「NAGOYA H2 Biz」を立ち上げ
中小企業の水素産業への参入を支援


 名古屋市では水素の活用が市の「成長の原動力」ととらえ、「名古屋市水素アクション」をとりまとめた。水素の社会実装を目指し、2025年度から「NAGOYA H2 Biz」と銘打ち、中小企業の水素産業参入の支援をスタートした。

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キックオフセミナーの様子

 この事業を立ち上げるキッカケとなったのは、「水素産業に参入したいが、自社技術・サービスをどのように活用すればよいかわからない」「水素に関する大企業のニーズを自社だけで把握するのが難しい」といった中小企業の「生の声」を聞いたからだ。こうしたニーズを受けて「NAGOYA H2 Biz」を企画し、水素の特徴から実装まで基本的な知識を学べる4回の連続講座を実施することになったそうだ。

 この「水素技術講座」の開催期間は8月から11月まで。4回に渡って講座が開かれ、①水素のエネルギーとしていかに利活用するか②水素の製造、輸送、貯蔵技術はどういうものか③水素の利用技術④水素の社会実装などを学ぶ。

 受講対象は、水素産業への参入を検討している企業や参入して日の浅い中小企業など。「水素ビジネスには多様な技術・部材・サービスが必要であり、中小企業の知見や技術などの強みを生かせるチャンスがある。自社だけでは難しくても連携すればできることがあると思う」と市の担当者。この事業を通じて「水素産業のなかまづくり」もすすめていきたいと市は目論む。10月からは、企業の協力を得て、水素に関わる企業の工場見学・ワークショップを開催していく予定だ。