カーボンニュートラルニュース vol.43

(2025.08.04)


「安定的な電力供給が困難」として
水素発電を延期
北海道富良野市の小中学校の空調電源
当面代替電源で稼働

コロンブス2507
北海道の中央に位置する富良野市。十勝岳連峰の山々を背景に、なだらかな丘陵地全体に彩られるラベンダー畑で知られる。市は2021年4月に「2050年ゼロカーボンシティ」を表明、温室効果ガス排出量実質ゼロを目指している

 次世代エネルギーの導入をすすめている北海道富良野市は、水素を活用した電源設備の導入を来年12月まで延期すると発表した。設備導入を予定していたフソウ・エナジー(本社・東京)から期限内での設置が難しいとの申し出があった。電源設備は市内4小中学校の冷暖房設備(エアコン)に使う予定だった。酷暑が予想されることから、市教委は代替の非化石燃料由来の電力を使い、6月からエアコンを稼働させている。次世代エネルギー設備導入について市教委は18年間で約9億5200万円の支出を約束する「債務負担行為」を設定。公募型プロポーザルで昨年、事業者をきめたが、同市教委の担当者は「フソウ・エナジーから安定した電力供給が難しいとの申告があった。あらたな電源が設置されるまでの電力代は同社が負担する」と話している。富良野市は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ宣言」を掲げており、その一環で水素を使った発電設備の導入をすすめてきた。市内では、水処理センターの敷地内に太陽光発電設備を設置するなど、水素以外にも再生可能エネルギーの導入をすすめている。