カーボンニュートラルニュース vol.38

(2025.07.14)


貸し農園で「Jクレジット」を受け取れる
「カーボンオフセット農園」
CO₂を土壌中に固定化する「宙炭そらたん」の活用で実現

コロンブス2507
松戸千駄堀農園。「カーボンオフセット農園」は千葉、愛知など4カ所で行われる

 農業体験・農業教育サービスを展開する㈱マイファームは2025年4月から「カーボンオフセット農園」の実証実験をはじめた。同社の「カーボンオフセット農園」の取り組みに企業が参画すると、温室効果ガスの削減価値を権利化した「Jクレジット」によって環境に貢献できるとして話題に。
 「カーボンオフセット農園」では、バイオマスを高温炭化するとともに微生物を付加した特殊肥料で、バイオマスにもともと含まれているCO₂を土壌中に固定化する機能を持つ「宙炭」(開発:㈱TOWING)を活用。実証実験は松戸千駄堀や名古屋北などマイファームの4農園で実施。宙炭を使用すると、1200から1400平方㍍あたり1㌧のCO₂削減効果を生み出せるという。「カーボンオフセット農園」ではこのCO₂削減効果をもとに国から「Jクレジット」を取得し、参画企業に農地面積に応じて還元する。
 また、企業は自社の温室効果ガスをオフセットするだけでなく、「社員研修や福利厚生プログラムとして農業体験ができることも魅力のひとつになる」(マイファーム・広報企画)という。なお、企業は借りた農地を管理せずマイファームに任せることも可能で、たとえば地域住民が使える自由農園のようにすることもできるとのこと。
 現在5社をめどに参画企業を募集中。契約年数は1年単位で、初期費用(「宙炭」購入+Jクレジット購入)は40万円から。環境貢献プログラム参加料が月5万円となっている(体験農園におけるCO₂削減活動をCSRとして社外発信も可能)。

カーボンニュートラル0407-3
バイオマス中のCO₂を土壌に固定化する機能を持つ特殊肥料「宙炭」