カーボンニュートラルニュース vol.36

(2025.07.07)


ハルビアとトヨタ自動車が
共同で水素サウナヒーターを開発

カーボンニュートラル0407-3
水素サウナルーム(イメージ図)

 サウナ開発やスパ体験の世界的リーダー・フィンランドのハルビア社とトヨタ自動車㈱は共同で、水素燃焼技術を活用した水素サウナヒーターのモデル機を開発した。
 この水素サウナヒーターはいわば「スモークの出ないスモークサウナヒーター」(ティモ・ハルビア, Chief Technology Officer, HARVIA OY)だという。フィンランド式サウナのなかでもっとも伝統的な「スモークサウナ」は煙突のない薪サウナストーブを室内で燃焼させてサウナを温めるもので、やわらかな対流熱で温まることができるが、準備に時間がかかる点と二酸化炭素を発生させる点がネックだった。これを解決するためにつぎに生み出されたのが薪式のサウナストーブ。サウナ浴中にストーブを稼働させたままにすることができ、準備時間も短く済むことが特徴。ただ、煙突から排煙させるため熱効率は70㌫程度で、二酸化炭素の排出による環境への影響が依然として課題に。水素サウナヒーターはこの課題を解決する革新的なヒーターだ。「水素を燃焼させると熱と水が発生する。有毒な煙が発生せず、煙突から熱が逃げることもないので熱効率は100㌫。二酸化炭素も発生しない」と至れり尽くせり。しかも「熱とともに水分が発生するため、湿度を高く保ち、心地よくサウナを楽しむことができる」そうだ。
 今回のプロジェクトは、水素活用によるカーボンニュートラル支援のための基金「Central Finland Mobility Foundation(Cefmof)」(本拠地:フィンランドのユバスキュラ市)が、トヨタの水素燃焼技術をサウナに応用することをハルビア社に打診したのを機にはじまったもの。6月4・5日には、ユバスキュラ市で開かれた「ワールド・サウナ・フォーラム」で、水素サウナヒーターが初公開された。現在、フィンランドでプロトタイプ試験機による検証がすすめられているが「実証試験が終わりしだい、日本国内でも活用できないか検討をしているところ」(㈱ハルビア・ジャパン)とのことだ。

コロンブス2501
水素サウナヒーターのモデル機。フィンランドで実証実験中