カーボンニュートラルニュース vol.29

(2025.06.09)


豪州NSW州の水素関連訪問団が
福岡県の水素関連施設を視察
大規模需要家、大学・研究試験センター、
バイオ水素ステーションなど

コロンブス2506
福岡市水素ステーションを視察する様子

 豪州ニューサウスウェールズ州(NSW州)の水素関連訪問団(産官学の8社・団体の11人)が3月10日から13日まで、福岡県内の水素関連施設を視察し、関係者と意見交換をした。太陽光発電によるグリーン水素の製造・輸出に力を入れるNSW州と、北九州市響灘臨海エリアで水素・アンモニアの商用サプライチェーン構築をすすめる福岡県は、2023年に「水素分野における協力促進に関する覚書」を締結。今回の訪問はその一環として行われた。
 一行は響灘臨海エリアにある「将来的に水素・アンモニアの利活用が見込まれる施設や企業」(福岡県自動車・水素産業振興課)で、発電分野での脱炭素化をすすめる九州電力㈱ひびき発電所の建設現場や水素とCO₂からメタンを合成する西部ガス㈱のメタネーション実証施設、また、輸入水素を貯蔵する水素タンク設置の候補地になっている日本コークス工業㈱などを視察した。また、九州大学や糸島市に所在する水素エネルギー製品研究試験センターでは最先端の研究を視察。研究試験センターでは、どのような製品試験が可能かなど、積極的な質問や連絡先交換も。そのほか、福岡市の下水バイオガス由来の水素ステーションを視察し、地元の矢部川電気工業㈱、㈱九州電化、九州計測器㈱の3社によるプレゼンがなされた。検知や測定機器など世界でも類を見ない製品技術に豪州訪問団も驚いた様子で、意見交換がすすんだ。
 この訪問団を受け入れたことで「技術的な話もそうだが、企業と企業、人と人とのつながりを築くことができた。NSW州と福岡の交流を機に水素社会の実現の足がかりにしたい」(同前)とのこと。なお、11月には福岡県がNSW州を訪問し、関連展示会にも出展する予定。

コロンブス2506
豪州NSW州訪問団と福岡県担当者との集合写真