カーボンニュートラルニュース vol.27

(2025.05.29)


プラスチック加工で確かな信頼と実績
本業生かし波力発電開発に乗り出す

コロンブス2505
新開発された波力発電設備

 プラスチック加工の㈱温品(ぬくしな)は、本業を生かす新事業として波力発電設備の開発に乗り出した。この設備は直径1.5㍍の浮き輪のような円形のガードと、その中心に据えられたタービンから成る。これを海面に浮かべ、波のうねりを利用してタービンを回し発電する仕組みだ。円形ガードも、タービンを収納する機器も素材はプラスチックの一種、ポリ塩化ビニールの加工はお手のものだ。温品公志社長(58歳)の弟で広報を担当する専務取締役の佳之氏(51歳)によると、開発のキッカケは港湾職員OBから海で使える再生可能エネルギー装置の製造を持ちかけられたことだったという。「設備は開発段階でまだ発電量が少なく、実用化にはいたっていないが、将来的には漁業施設の照明のほか、養殖場の魚の様子を検知する水中センサーなどの用途が期待できる」と話す。円心の収納機器の上に太陽光パネルを載せ、太陽光発電とミックスさせて発電量の向上と安定化をはかることも検討中だ。「太陽が顔を出しているときは一般的に波の動きはおだやかで、反対に太陽が雲に隠れているときは荒天でうねりが大きいため、太陽光発電と波力発電がおたがいを補完しあえる」と、さらに改良をすすめているという。