カーボンニュートラルニュース
(2025.03.10)
国際水素・燃料電池展が大盛況!!
大企業、中堅・中小企業、自治体、研究機関が集結!!

2月19日(水)から21日(金)にかけて、東京ビッグサイト(東京都江東区)で「SMART ENERGY WEEK 春」が開催された。これは「水素・燃料電池展」「太陽光発電展」「二次電池展」「スマートグリッド展」「洋上風力展」「バイオマス発電展」「ゼロエミッション火力展」「CO₂分離回収・利用・貯蔵 技術展」からなる世界最大級の新エネルギー総合展で、国内外の計1493社が出展し、3日間で6万9308人が来場。このうち、次世代エネルギーとして期待値が高い水素・燃料電池展には国内外から300以上の企業や自治体、業界団体などが集まった。
なかでも「水素の時代を共に創る 未来への次の一歩」をコンセプトにしたトヨタ自動車のブースでは、燃料電池システムサプライヤーとしてのグループの取り組みをPRし、本田技研工業も2027年に量産開始予定の次世代燃料電池モジュールや開発中の燃料電池定置電源の試作品を世界初公開し注目を集めていた。また、川崎重工業は液体水素を安全かつ大量に長距離海上輸送する世界初の水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」などについて展示し、今後、「あらたに川崎臨海部に5万立方㍍もの巨大な液化水素タンクを建て、海外から液化水素を運搬してきて貯蔵する一大拠点をつくる」プロジェクトを紹介していた。
こうした大型のプロジェクトのほか、水素とそれ以外のガスを仕分ける膜を製造するヨシタケ、水素を溶液に溶かし込んで貯蔵・輸送する新明和工業、液化水素の温度を保つタンクを手掛ける千代田精機、液化水素をタンカーで運ぶ際の大型バルブを造っている中北製作所、バナジウム合金で水素を純化する東海理化、グリーン水素の製造・貯蔵・利用システムによって水素エネルギーだけでまち全体のエネルギーをまかなうことを目標にしている高砂熱科学工業など、水素を「つくる」「はこぶ」「ためる」「つかう」これからの企業が出展していた。さらに山梨県や大分県、山口県、北海道といった自治体もブースを構え、水素ビジネスに携わる地場企業の紹介をしていた。
他方、海外からの出展が多いのもこの展示会の特徴だ。とくに中国企業のブースが多く、ある商社担当者は「中国では水素から合成ガスをつくる実証試験がすすんでおり、すでに量産計画も持ち上がっている。日本ではまだ研究段階だが中国では先行して実装している、といった例も多い」と話していた。また中国のほか、ドイツからも数多くの企業が出展していた。「次回開催の9月には、日本勢の技術革新や次世代エネルギーの社会実装に向けた挑戦がさらに前進しているはず」と主催者。