カーボンニュートラルニュース
(2025.02.11)
「羽田みんなのみらい 水素エネルギー展」開催
水素社会の今と将来のあり方を研究者や事業者が講演

1月31日(金)から2月2日(日)まで、羽田イノベーションシティ(東京都大田区)や羽田空港第2ターミナルで水素エネルギーの体験・学習・交流イベント「羽田みんなのみらい 水素エネルギー展」(主催:東京都)が開かれ、事業者から一般の家族連れまで3日間で計3623人の来場者が詰めかけにぎわった。
1月31日(金)は事業者向けイベントとして、講演やパネルディスカッションが行われた。まず開会挨拶を行ったのは東京都産業労働局次長の安倍典子氏。「ここ羽田空港臨海エリアは交通インフラが集積し、人とモノが行き交っており、まさに未来の都市モデルを創出するモデルケースとしてふさわしい場。川崎市や大田区と連携協定を結び、水素エネルギーの利活用拡大に向けたさまざまな取り組みを展開している。その現在地を多くの人に知っていただき、未来に思いを馳せてほしい」と話した。つづいて、東京大学先端科学技術研究センター教授の河野龍興氏が水素エネルギーの現状と展望を世界の動向なども交えながら解説、東大駒場第二キャンパスで実証中の水素エネルギーシステムなどについて話した。その後、東京都と大田区、神奈川県川崎市がそれぞれの自治体における取り組み状況の紹介につづいて、大手民間企業が水素エネルギー関連事業についてプレゼンテーション。旭化成㈱グリーンソリューションプロジェクト事業開発部長の石川智之氏は「水素社会の実現に向けた取り組み」と題し、同社で開発をすすめる水電解装置システムについて話し、川崎重工㈱水素戦略本部プロジェクト総括部総括部長の吉村建二氏は「エネルギーの安定的な供給を確保するための水素サプライチェーンの構築」のなかで同社が製造した液体水素運搬船の役割の重要性を説いた。そのほか、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)大規模水素利用ユニット水素SCチームの坂秀憲氏が水素技術の開発動向について、東京都産業局水素エネルギー推進担当課長の村野哲寛氏が今後の都の取り組みについて説明した。またパネルディスカッションでは、水素関連事業者9社が3つのテーマに分かれて議論を交わした。
展示スペースでは東京都、大田区、川崎市が水素事業の取り組みをパネル展示するとともに、12事業者がブース出展。さらに水素サプライチェーンや水素エンジンバイクなどの展示も行われたほか、水素船や水素バスに乗りながら空港臨海エリアを巡る水素エネルギー見学ツアーも実施された。
そして2月1日(土)、2日(日)の一般向けイベントでは、水素に関連したサイエンスライブやクイズショー、ワークショップをはじめ水素バス体験乗車などもあり、親から子どもまで一緒に楽しく水素を学ぶ機会となった。
また、3日間共通の催しとして水素の燃焼熱を利用した東京しゃもの焼鳥や水素焙煎コーヒーなどの調理実演が行われ、来場者は屋外に設置された水素利用の熱風式直火型ジェットヒーターで暖まりながら試食・試飲を楽しんだ。

